神戸の事件で「相談したのに逮捕」という結末に驚いた方も多いはずです。
なぜ、助けを求めた母親が「犯罪者」として扱われてしまうのでしょうか。
そこには、日本の法律(死体遺棄罪)の厳しさと、過去の裁判で争われてきた「弔う意思」という高い壁があります。
なぜパニックでの放置が「死体遺棄罪」に問われるのか
日本では、たとえ悪意がなくても、死産した赤ちゃんを公的な手続きなしに保管し続けると「死体遺棄」とみなされる可能性が非常に高いです。
法律が定める「遺棄」の定義
刑法190条では、死体を「捨てる」だけでなく、葬祭の義務がある人が「放置する」ことも罪になると定められています。
母親がパニックでどうしていいか分からず数日間置いておいただけでも、法律上は「消極的遺棄」に該当してしまうのです。
過去の孤立出産事件での「逆転無罪」と「執行猶予」
過去の似たような事件では、母親の状況によって判決が分かれています。
ベトナム人実習生事件(2023年最高裁・逆転無罪)
自宅で死産した双子を箱に入れ、手紙を添えて安置していたケース。当初は有罪でしたが、最高裁で「遺体を隠す意図ではなく、弔う意思があった」として逆転無罪となりました。
執行猶予がつくケースの共通点
多くの事件では懲役刑が出ますが、経済的困窮や精神的な孤立が認められれば、多くの場合「執行猶予」がつきます。
今回の神戸の事件も、病院に相談したという事実が「弔う意思」としてどう評価されるかが焦点になります。
警察が「保護」ではなく「逮捕」を優先する裏側
警察には「事件性(殺害の有無)」を確認する義務があります。
自ら相談していても、一度「死体」が確認されれば、現場保存や証拠確保のために機械的に「逮捕」という手続きが進んでしまうという、司法と福祉の乖離(かいり)が背景にあります。
まとめ
現在の法律では、どんなにパニックであっても「届け出がない=犯罪」という厳しい枠組みがあります。
裁きよりも先に、母親を救うための法整備が急がれています。



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